
というような題を編集部から頂いた。私の子供達は家でどんな学習をしていたのだろうかと考えてみた。アカデミックでは学校の宿題以外は何もしていない。ニューヨークの学校は季節休みに加えてユダヤ教の休みが多く、そのほかにも何かにつけ休みが多い。5番目の子供が2歳までは専業主婦をやっていたので子供達全員が家にいるとお母さん兼先生兼給食のおばさんいったマルチタスクで子供達と向かい合わなければならない。
しかし、NY ではアパート暮らしだったのでお天気が良ければ公園、雨ならミュージアムや博物館というのが我が家の学習場所だった。まず定番は、マンハッタンのセントラルパークウエストにあるアメリカ自然史博物館で毎月といっていいほど通っていた。理由はその陳列物もさることながら広々とした館内で子供達が思いっきり走り回れること、ちょっと大きな声を出しても文句を言われないこと。時として隣で見ていたおじいちゃんが恐竜の生態系などをレクチャーしてくれたりで、学校での勉強より面白く為になった。館内にはレストランや手持ちのランチを食べられる場所もあり(現在はコロナ禍で閉鎖している場所が多い)、毎週水曜日になると大挙して押し寄せるパブリックスクールの生徒たちのランチに参加したこともある。
博物館から家に戻ると、子供達には日記を書かせた。その日の印象を絵に描いたり、ストーリーにしたりと、結構楽しんでやっていた。自然史博物館はセントラルパークがすぐ近くにあるので、お天気のいい日にはパークを横切って徒歩で最寄り駅まで40分ほどかけて歩き、最後にアイスクリームを食べた後家路に着いた。しかしこれが夏休みとなると毎日博物館通いもできず、別の家庭学習の場所を探さなければならなかった。ILH History にも書いたが、夏休みの間ずっと街にいると何かとお金がかかる。子供達と出かけると飲み物やスナックだ、と出費が増えていく。かといって毎日おむすびを抱えて外出するわけにもいかない。だいたい毎日子供達を連れて街をほっつき歩いていたら親のメンタリティーにも支障をきたす。そこでサマーハウスを借りることにした。
※ILH Connection 2022 Aprilに掲載した弊社CEO黑部のエッセイになります。