
【前編】はこちらから
いわゆるミッションスクールであるが、私立であっても授業料の取り方がユニークで神の思召しに従って経済的に大変な家族からは多くを徴収せず、余裕のある家族からはしっかりと貰う。これが可能な背景には、全教師の給料は行政から賄われている。日本の認可保育の制度にも似ているが、プログラムなどは自由に構成していて学校独自の方針で運営されている点が違う。英語の授業も公立学校は週に2時間のみなのに対して毎日行われる。音楽の授業もイギリス人が行っていて全て英語である。プログラムは全て校長によって導入が決められる。ただ英語による音楽プログラムはアメリカ人の行うようなクリエイティブなものではなく、生徒全員が同じように先生の指示に従って動く。今回の訪問で感じたのだが、フランスの教育は教師が主導となって生徒は「いい子であるべき」クラスが良しとされるような保守的面を感じた。実際ニューヨークや東京で見たフランス公認学校でも、ディベイトなどで個々が意見を言うようなクラスではなく、先生の話しを聞くことが重要視されている。そのせいか全員で英語を話す時はできても、1人で発表となると難しいという場面が見られた。
2018年12月31日に執筆しました。
後編につづく
黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)