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フランスの教育委員会曰く、英語教育に関しては成功とは程遠いシステムが今も動いている。しかし日本はこの失敗システムとほぼ同じものを2020年度から小学校の導入しようとしている。日本人の担任による、日本人が選ぶ英語のテキストによって、毎日行われないプログラムがそれである。フランスではこのプログラムが導入されてから数年経つ。子供達に英語習得のプログレスが見られないまま改良はおこなわれていない。よその国で成功しなかったことが日本で成功するとは決して思わないのだが、せめて他国での失敗を教訓としてくれることを強く望む。同時にランゲージのような民間が強い意識を持って日本の英語教育に貢献することの大切さを再認識する。
ところで1つフランスの学校から学びたいことがある。給食である。私立学校での情景なので一般的ではないかもしれないが、サラダの前菜から始まり、魚のメインディッシュ、なんとチーズが出てヨーグルトのデザート、パンは勿論バゲットというメニューが3歳児から提供される。さらに驚くのは3歳児でもナプキンで口元を拭くことを心得ている。日本食が世界遺産になったのだから、フランススタイルとは言わなくても日本の美しい食文化を給食を通して教えられるような学校が日本にも必要と考える。これは食育というより文化教育である。
2018年12月31日に執筆しました。
黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)