2017年9月に執筆しました

 ランゲージ・ハウス幼稚部のランチライムはママたちが朝早くから起きて、子供達のために作ったお弁当でパティールームのようになる。お弁当のフタを開けると色と香りとママの愛情が一緒になって飛び出してくる。これが子供達の笑顔と重なってものすごい園のエネルギーにもなっている。

 横浜は中学給食がないところとして有名だ。市教育委員会の話では、高度経済成長期に人口が増え、給食設備よりも学校を増やすことが急務であったとしているが、給食を望む声は今でも多い。しかし給食室を増設するには費用がかかりすぎるとして横浜市が苦肉の策として始めたのが「ハマ弁」だ。一食¥470、全国の平均が¥250に比べると割高である。したがって利用者は極端に少ない。

このような背景から横浜の市民団体が行なったアンケートからも給食を望む声が多い。ある保護者からは「横浜に引っ越してきて、中学給食がないのを知って目の前が真っ暗になった。毎日幼稚園の時のより大きなお弁当を作らなければならない親の負担、自分の健康を保てる自信がない」という話もある。

 しかし、私は考えたい。中学生といえば13歳、アメリカでは12歳からベビシッターのアルバイトができる歳である。であれば自分のお弁当ぐらい自分で作れるのではないか、確かに材料を揃えるのは親の役目かもしれないが、目玉焼きの一つぐらいは自分で作ってご飯の上に乗せる、海苔を乗せる、後は前の晩の余り物や、親がコンビニで買っておいた惣菜とかを加えて立派なお弁当になる。確かに親心としては可愛い子供のためにお弁当を作ってやりたい。大変と思ってもやってやりたい、しかし朝起きてご飯の支度をし、さらに自分の出勤の支度をして、ざっと家事を片付けてという目の回るような忙しさの中で、お弁当作りは時間も労力もかかる。しかしこれは母親が全てを背負ってしまうから大変なのであって、子供達と仕事を分担したらことはもっと簡単になる。母親がお弁当を作っている間に食器を洗わせるとか、食卓を片付ける、洗濯機を回す、掃除機をかけるなど、中学生ならできて当然の仕事がたくさんある。しかし現実はというと、朝ギリギリまで寝ていて、朝食もろくに取らないまま携帯を見て、親に早くしろと言われながら通学していく中学生が少なくないのではないだろうか。

後編につづく

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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