2018年10月に執筆しました。前編はこちらから。

ある日息子を迎えに行ったら”your son doesn’t know how to share the things with other kids! you have to train him at home!” と言われた。息子から裏事情を聞くと、持参したプラレールを友達とシェアーしなかったからだという。自分のもだからしょうがないじゃないかと思って翌日おばあちゃんに聞いた。帰ってきた返事はこうだった。“it is not important to share the thing but more important is to share your heart”なるほど、物はともかくシェアーするという心が大切というおばあちゃんのしつけは柱がある。またトイレットトレーニングも徹底していた。まずは子供に今日使えるオムツの数を教える。もし足りなくなったらお尻丸出しになることを教える。これがとても恥ずかしいことだと教える。これを繰り返し話し、また実際にトイレでトレーニングするときは最大限褒めてあげる。次男は保育おばあちゃんの家に通い始めて2ヶ月でオムツとさようならをした。おばあちゃんは子供と話すのがとても美味かった。スナックタイムなど覗くと、まるで茶飲友達と話しているように子供たちと会話する。

今考えると衛生面では決して褒められたものではなかったが、それ以上に子供たちの心の安心を作れる場所であり、同時にしつけを自然な形で育むおばあちゃんの知恵が凝縮したところであった。

 今日本の保育は、安全面はともかく、衛生面、学習面などに特化するあまり幼児期の子供たちと何を話し、何を聞かせるかの時間を取れないところが多い。保育というシステムの中で子供たちが一元化して行くことだけは避けなければいけない。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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