オフィスのイメージ@インターナショナル・ランゲージ・ハウス

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元来数字には弱いので、それがドルから円、円からドルになるとなおさらである。やっと頭の中での計算がまとまった。「社長、これ年俸2000万の間違えかもしれません。つまり私がドルの数字にあるゼロを間違えて勘定したようで、すみません!」社長は唖然とした表情で私の話を受け止めると「おい、先方にすぐ連絡しろ!戻るぞ!」との一斉。先方のオフィスに戻ると皆ニヤニヤとしながら我々を迎えてくれた。アメリカ人の社長曰く“Mrs. Kurobe you can just take two ZERO number off from Japanese Yen, that is US$” 一件落着とはいえ、これが契約などの案件だったら首はつながっていなかった。

 海外での生活は英語の間違いが人を成長させてくれると思っている。だいたい間違いなく話そうと思うとうまく言葉が出てこないし、うまくコミュニケーションが取れない。私はNYに住み始めた当初、話の相手には私が間違った英語を話していたら途中で止めてくださいと頼んでから話をすることにしていた。これが功を奏したのか1年もすると英語のニュアンスの大切さが分かってきて、話の場面ごとに使う単語やセンテンスも理解するようになった。しかしこれに行きつくためにどれほど多くの人たちと話したかは覚えていないほど、道端やビルの前、タクシーの相乗り、地下鉄の乗客、公園の林人などなど暇そうな人を見つけては話をしていた。だから多くの英語での失敗談もある。しかしこれが英語を学習する醍醐味みたいなものだと思っている。失敗大歓迎である。

2022年6月にILH Connection向けに執筆しました。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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