
2018年4月に執筆しました
4月になると孤独感を感じるママが多いと聞く。子供が卒園し、小学校に上がったものの新しいママ友を作るきっかけができないとか、幼稚園のママ友達が小学校の入学を機に働きだしランチ友がいなくなったとか、子供が中学、高校に上がりママの出番が少なくなったとか、いろいろな理由がある。特に女性は身近な環境の中での友人を求めることが多いので、環境の変化に自分だけ取り残される感じを受けルコとは誰しもが経験することかもしれない。
ある園でこんな話を聞いた。毎日幼稚園にお迎えに来ると誰とも話さず子供を連れてさっさと帰るママがいた。あるきっかけで別のママがそのママとFacebookで繋がり驚いた。何とアップされている写真には本人とは想像もつかない活発な日常があり、園では見たことのない笑顔が写っていた。また「いいね」をしている人数も100人以上のフォロアーがいた。同じような話が先日私の身近でもあった。ファッションPRをしている友人でニューヨークに住んでいる。彼を見ているとFacebookのヒット率を上げるために人と会っているようにも見える。一期一会ではないが一回でも会えば「友達」、Facebookで繋がってずっと「友達」という感じである。逆にヒット数が低いと落ち込み孤独を感じるという。私はたかがヒット数で「友達」の多さを云々する方がおかしいと思うのだが本人は真剣である。まさにqualityではないquantityの友達を生産しているといった感じである。私には高校時代が2人、大学時代が2人、同じ釜の飯を食べたヨット部の同期が数人、ニューヨーク時代のママ友が数人ぐらいである。彼らとは家族のことから政治経済までなんでも話す。愚痴や泣き言もいう。不思議なのは英語で話すときはまだまだチカラ強い自分を感じるのだが、日本語だとシニア世代を感じる。きっとヨット部の同期がおじいちゃんみたいになってしまったからだろうか。
黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)
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