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2018年9月に執筆しました

平成26年に行われた小学校外国語活動実施調査によると、小学6年生までは英語嫌いが10.9%だったのが、中学1年生では18.4%2年生ではなんと27%に上昇するという。原因は中学で読み書きや文法が始まった時についていけなくなる子が多いということなのだが、ここに英語の素地力が備わっているかどうかが問題となる。素地力というのは幼児期から段階的に培われる力である。その第一歩が「聞く力」である。同じ言葉を何回も聞いているうちにその意味がわかるようになり、次に話せるようになる。例えば“Yummy”(美味しい)をお母さんが赤ちゃんに何度も言っているうちにその意味がわかり自分でも”Yum”と言えるようになる、これがコミュニケーションの始まりである。言葉を聞き取れた、自分の伝えたいことを言えたという喜びや、感覚がコミュニケーションの素地力となる。外国語活動で歌やゲームはおきまりのプログラムであるが、ここで大切なのは音声に慣れ親しむことで、慣れ親しむということは継続性を持って日々の生活の中で聴くことを習慣化していくことである。

 英語に限らず全ての教科に言えることだが、わからないと教科はつまらなくなる。何を言っているのか、何を勉強しているのかがわからなくなる。それが引き金となってズルズルと成績にも影響する。大人だって複雑な機械の操作方法がわからないと使いたくない、使えないとなる、それと同じである。

 日本で英語が難しくなってしまったのは戦後である。それまでは外国のことを知ることのできるツールとして、明治時代の若者たちはこぞって英語を勉強した。彼らには外国を知り、外国を学び、外国を追い越し、日本を守れという大義名分があったので、素直に反復練習をし、必要であれば英語で考え回答し、和訳をするために英語をひっくり返すことはしなかった。つまり英語のニュアンスをしっかりと学んで言った。ところが戦後になると英語に対するコンプレックスからか、文法や「基礎英語」というローマ字に毛の生えたような学習方法が一般的となり、それにローマ字の弊害が重なって英語はわからない、つまらない、日本では役に立たないという風潮が一般的になった。

 しかし、時は2018年、戦後70年以上たった今、社会は変わり、英語の位置づけも変わっている。いつまでも英語は難しい、わからないでは世の中についていけない。グーグルは引き続き翻訳ソフトを開発するだろうが、自分の言葉で相手の顔を見ながら話すのと、携帯を見ながら話すのとでは、目的への達成度が俄然違う。

 話を素地力に戻す。幼稚園、小学校と素地力を育む期間は基本6年間だと思ってほしい。他の習い事への束縛がなく、「聴く」ことに抵抗を感じない、もっと知りたいという本能が動く時期に将来につながる英語の素地力をつける。これが将来への大きな投資になることは間違いない。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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