インターナショナル・ランゲージ・ハウスのボブ君

2022年2月に執筆されました

 今日オフィスに行く途中ランゲージ幼稚部の卒園生にあった。これからスイミングレッスンに行くとかで大きなバックを下げていた。バスタオルと水着だけにしては大きいねと聞くと、実はスイミングの後に塾に行くという。そこでは毎日4時間週5日通っている。ちなみにこの子は小学4年生、本人いわく中高一貫への受験を考えているので受験準備を始めるには決して早くないのだという。この卒園児さん、在園中に幼児英検にも合格した努力家である。コロナで学級閉鎖となった時も、学校からのオンライン授業が終わると漢字の書き取り練習をしたり、プログラミングの復習をしたりと自分の学習スケジュールをちゃんとこなしている。ところで、「小学校ではどんな英語のお勉強しているの?」と尋ねたところ、週1〜2回簡単な会話学習をしているという。「へえ~ 会話ってどんなの?」と聞くとWhat is your name? where do you live? What did you eat for dinner?みたいなやつという。「これマルマルちゃんには簡単すぎない?」「うん、でもわからない子もいるからしょうがない」という。

 2020年から必修化となった小学校英語であるが、文科省の掲げる目的はグローバル化の時代を生きる子供達にとって、コミュニケーション手段としての英語力をつけるということである。ランゲージ・ハウスではこの10年間公立、私立、国立と英語教育の方法が多少異なる学校に卒園児を送り出しているが、保護者の方々からの小学校英語に対する心配は同じで、「このままでは英語でコミュニケーションを取れるようにはならないのではないか。」という。

 新学習指導要領では、「話す」をコミュニケーション力と発表力に分けている。発表力とはランゲージでやっているようなshow and tellのように自分の意見を相手に伝える語学力である。これに「聞く」「読む」「書く」をバランスよく中学までに学習するとなっている。小学校では「話す」「聞く」を中心としたカリキュラムが組まれていて、そのために習得する英単語は700語を目標としている。問題は700語の教え方である。今のように週1回~2回では先生の言った単語を発音した後に、そのスペルを視覚で捉え、フォニックスに結びつけるという学習方法があまり行われていない。英語を母国語とする国々では、この綴りと発音の関係を学ぶフォニックスがナーサリースクールから始められていて、Wはダブリューではなくwhやwoと組み合わせて「ウ」に近い発音になることCならシーではなく「ク」に近い発音になることを徹底的に教えられる。これによって本が読めるようになり、単語の前後関係から話の内容がわかるようになる。日本の小学校が700語を目指すのであれば、児童に丸暗記をさせるのではなく、フォニックスとセンテンスを結びつけた学習をすることが必要であると考える。ただしフォニックスを教えるのはネイティブが望ましい。微妙な発音やイントネーションが単語の意味すら変えてしまうことがあるので日本人が教えることはかなり難しいと考える。YouTubeなどでもフォニックス学習はできるので、小学生を持つ保護者の方々にはぜひ検索し、自分のお子さんが好きそうなフォニックスプログラムに出会って欲しいと思う。

【後編】はこちら

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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