インターナショナル・ランゲージ・ハウスのボブ君

【前編】小学生になったら。。。。英語どうする? の続きです。

 新学習指導要領に基づいた小学校外国語教育新教材について少しだけ私の意見を述べたい。小学校3、4年生の英語教材(例えばLet’s Try)を見るとかなり内容が濃く、これをしっかりやれば力はつくと思う。ただし毎日やればという条件がつく。これだけの内容を週1〜2でこなすのは神業に近い。子供達にしっかり内容の理解ができ、コミュニケーションに取り入れられるという実技が伴って初めて意味のある学習になる。それよりも「良い英語の書籍」を年齢に合わせ、内容から英語だけでなく、生きる力、世の中を理解する力を育みながら読みこなしていく方が英語の上達につながると考える。そしてテキストはあくまでも家庭でのサポートにする。なぜならテキストは子供が自分1人でもできるような受け身の学習だからである。しかし英語の書籍は教師のサポートなしには読めないし理解もできない。ここでin person学習の効果が生まれると思う。

 アメリカに暮らしていて学校巡りをしていた頃、「良い学校」と言われるところの図書室はどこも充実していた。保護者が行うバザーなども出版会社に協力してもらい、新書をバザーで保護者に買ってもらい、それを学校に寄付するということを行なっていた。また街にある古本屋も児童書籍が充実していて、古本屋が開催する読み聞かせの会や、作者自身がイベントを行ったりと「良い本で子供を育てる」という精神に満ちていたように思う。

 小学校の英語学習の現状は教える教師の側からも厳しいものがあると思う。もし適切なトレーニングシステムの元に教える側の英語学習のカリキュラムが組まれていたら、小学校の英語学習は効果的なものになるし子供達の英語に対する興味もより大きなものになる。今までどれくらいの日本人が海外の小学校での英語学習を見学してきたかはわからないが、英語教育をデザインする人たちが行ってきた現地での見学や研修は我々国民の税金で賄われてきたと思っている。であればもっと具体的、かつ有効的に、日本の将来を背負う子供達のための英語学習方法を再度模索し組み立て、3年生ではここまで英語でのコミュニケーションができるようになるという具体的な目標を立てて前に進んでもらいたい。日本人の子供たちの前には、アジアの多くの国々の子供達が、その国の英語教育に牽引され前に進んでいる。日本人はこれ以上遅れをとってはならない。

※2022年2月に執筆されました。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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