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2019年1月に執筆されました

現在ランゲージ・ハウス幼稚部の卒園児のほとんどが小学校の選択は公立校を選んでいる。私も小学校から高校まで公立校の環境で育ち、大学に入って初めて私立校から来た人たちと遭遇し、同じ日本人でも社会に対する捉え方が違うようなカルチャーショック的な感覚を味わったことがある。逆に自分の子供たちは、主人の勤め先だった国連から、公立私立関係なく子供一人に70%の教育手当が出ていたので当然ながら私立を選んだ。もしこれが自費であったら間違いなく私立への道はなかった。5番目だけは帰国したのが3歳だったこともあり小中学校は公立校を選んだ。

さて、アメリカの私立校を眺めてみると、日本以上の格差社会を背景に、幼い頃から“society” に子供を入れたいという親たちの意識が非常に強い。ビジネス関係だけではいれない”society”に幼年期から入れてもらい、親子共々人脈を作り、少なくとも高校卒業までには”society”の一員になっているというシナリオが理想である。そのために年間¥300万近くする学費を払い、ベビーシッターに時給¥3000を払うために親たちは必死で働くという厳しい現実がある。公立校は悪くはないが下手をすると格差社会の底辺に行く危険性もあると考える親たちが沢山いる。なぜなら公立校は教師の努力云々に関わらず生徒が集まるので教師の質を問題視する風潮がある。逆に私立校は2〜3流校であれ良い生徒を集めるのに努力を惜しまないのでレベルが高いと考える。確かにこのような現実は実際にある。教師の給与は公立校の方がいいのだが、その質は私立校に軍杯が上がるようである。日本も有名私立校には幼稚園から人が殺到するが、アメリカも同様である。ひとつ違うのは”society”に入るためという意識ではなく、有名校イコール進学校=有名大學=一流企業という図式が日本では一般的のようである。アメリカでは一流企業に行くだけが人生の頂点ではないという考え方が一般的なので、起業しても、親の商売を継承しても格差社会での頂点は目指せる。そのための人脈作りには”society”は欠かせないという考えが強い。もちろん公立校に行かせる親たちの中にもしっかりとした考えを持つ人たちもいる。公立校という多人種が集まるところで揉まれた方が打たれ強い、そもそも教育とはお金をかけてするものではない。確かにこの意見も正しい。ただ今アメリカの公立校で起こっているネガティブな現象を見ると、格差社会がもたらす弊害を子供たちが背負っている気がしてならない。日本も今後益々の格差社会となることは避けられない現実のようにも思う。ただ公立校の良心のようなものはまだまだ残っている。これを良くも悪くもするのは保護者の方々がどのくらい声を出して行くかではないだろうか。英語教育にしても与えられるままを受け入れるのではなく、公立校での英語クラスをこうしたいという保護者の声を実は校長先生も待っているかもしれない。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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