弊社CEO黑部@ILHサマー・ショー

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 仕事と子育ての両立は可能である。しかしこれを一緒のお皿に入れると疲れる。仕事と子育てはまったく別メニューとして考えた方がいい。2人目を作りたいけど、これ以上生活が大変になることを考えると思い切れないという相談を受ける。私の意見は、子供を1人作ったら2人でも3人でも育てる苦労は変わらない。経済的には大変かも知れないが思いの外なんとかなる。なんとかなるというのは今まで気になっていたことや、この子にこうしたい、ああしたい、また子供にもこうやって欲しい、ああやって欲しいと、この「欲しい」という欲がなくなる。なぜならそんなことを考えている暇はないのだ。自然に任せてというと放任のように聞こえるが、家の中を見回し、子供が幸せだと、その幸せな空気感がある。子供は連日パスタを食べさせられても美味しそうに食べていれば良く育つ。そこに家族の会話があれば、子供達との有意義な時間が感じられる。子供たちが小さい時、食事が終わるとShow andTellのような、子供が今日あったことを親に話したかったり、歌いたかったり、絵を描いて見せたかったりの時間をとっていた。その後下の3人がお風呂の時間がとなるが、バブルバスにしてあとは子供たちに任せていた。上の娘2人は宿題が多かったが、こちらからあれやれコレやれと言った記憶があまりない。私も家に帰ると仕事の話はしなかったし、仕事のことを考える余裕もなかった。余談だが、当時海外からの留学生がホームステイしていた。中には高校生もいて十分過ぎるほど手がかかった。それでも10人の留学生を毎年受け入れていたのだから「お前も好きだな。」と主人に言われていた。でも子供達にとっては留学生の前でわがままは言えないし、時には面倒を見てやらなくてはならないという社会勉強ができたことは今でも役立っていると言っている。基本的に忙しいのはいいことだと思っている。余計なことを考える時間がないのだ。また子供達に余計なことをしてあげる時間もない。やりたいことと、やれることには大きな差がある。子育って真っ最中であれば、やれることだけやればいい。それには親も自分を優先に考え行動することである。この分母がしっかりできてくると、子育てと仕事の両立は意識しなくてもバランスが取れてくるというのが私の意見である。自分を置き去りにしての子育てはない。

2023年2月に執筆しました。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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