今年度最後の記事を何にしようかと考えた。卒園おめでとう!は本番口頭で言わないと臨場感がない。小学校の英語問題は何度も書いているし、残念ながらしばらくは劇的な英語授業の改革は見られそうもないので書く気がしない。そこで僭越ながら私ごとを書かせてもらう。

 昨年末長男がレストランをオープンした。名前をBlack ship(黒船)という。Japanese x Italianのフージョンがコンセプトでカルボナーララーメンなどがメニューにある。場所は映画人の集まるWest Hollywood(LA)にある。

しかしこの長男に泣かされた回数を思うとレストランのシェフになったぐらいでは報われない。まず幼児期は親離れができずに毎日大泣き。人の足にしがみついて引きずり回さなければならない始末。友達にいじめられると泣いて帰って来る。そのくせいたずらは悪質で、一度は家族全員の下着を12階の窓から外に放り投げてくれたり、宝探しの隠し場所を自分の耳にして医者に運ばれたりした。大変さはその後もエスカレートし、小学校6年で日本に帰国しても日本語の学力は小学校3年生と判断され、勉強嫌いも手伝って、どの学校からも快く受け入れてはもらえなかったのは3回の退学が証明している。それだけではない、2回目の中学(アメリカ)では美術の時間にカラースプレーに火をつけてドラゴンファイヤーとかいうパフォーマンスをしでかし、消防車が校内に入るという事件に発展した。結果主人と私はシアトルの裁判所に出頭しなければならなかった。その後日本に戻し数ヶ月は庭の(現在の園庭)草取りをさせていたら、ご近所の方から「若い職人さんが入りましたね」と言われ悲しくなった。何をやらしても中途半端で投げ出し勉強は嫌い、この子は一生無学でぐうたらな人生を送るのかと思うと夜も眠れなかった。ただ料理が好きなことだけはわかっていたので当時妙蓮寺にあったフレンチレストランに皿洗いの仕事をさせてくれないかとお願いした。無論無給である。これが彼の人生の転機になった。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

2024年度入園希望者対象のILH幼稚部/プレスクール入園説明会を10月3日に行います。

入園説明会のお申込みは上記アイコンよりどうぞ。

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