オフィスのイメージ@インターナショナル・ランゲージ・ハウス

2020年に執筆しました

毎朝Podcastでニューヨークタイムズの論説を聞く。最近オリンピック開催間近の日本の状況を話しているのを聞いて、驚くほど日本国民の気持ちを読み取っているのに驚いた。4回目の緊急事態宣言を受けた国民の怒りと戸惑い、コロナワクチン接種計画実行のスローで無計画な状況、これによる国民意識の低下など、経済の停滞感などを含めたリポートを聞いていると、日本の政治家以上に国民を考え考慮した内容を話している。そしてもう一つ、日本の子供達の行く先を危惧しているコメントにはギクリと胸がつまる思いだった。

 内容は日本の富裕層が子供の教育をどのように考えているかということであった。最初に塾の話があった。以前は国内のエリートコースに乗せるための貴重な通過点であったが、今は塾より海外での教育に興味の対象が移っているという。海外での教育といってもビザの問題や学校の選択などクリアーしなければならないハードルが沢山あるが、富裕層の選択は家族全員での日本脱出である。

コロナでリモートワークが一般的になり、国をまたいでの仕事が可能になった。そんな彼らは日本の現状に愛想を尽かし、海外に将来の視点を置く富裕層が増えてきたのは間違いないとレポートしている。今まで富裕層の選択肢として選ばれてきたインターナショナルスクールについても興味深いコメントがあった。日本のインターナショナルスクールは世界に通用あるいは適応できなくなっているとの話だった。

後編へつづく

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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