
2018年に執筆しました。
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一番の理由は英語のアカデミックレベルが低いこと、例えば日本のインターから海外のインターに移籍するとESL(English as a second language)を取らなくてはならない日本人生徒が多く、英語のボキャブラリー不足や基本知識の欠如から、将来グローバル企業への就職を希望していても日本人にはかなりハードルの高い現実があるという。また日本のインターナショナルスクールに通う生徒たちがカジュアルに使うジャングリッシュという英語と日本語のチャンポン言葉からの脱出もなかなか難しいという。以前はインターナショナルスクールに行けば商社や外資系企業への道が拓けていたが、これらの企業は日本人より3カ国、4カ国後を話すアジア系を採用するようになっているという現実もある。
そして話は日本の教育現場を危惧していた。まず日本の教育を牽引するリーダーが存在しないということ、日本の子供達をこう育てたい、こう学ばせたい、こう成長させたいという指針がないこと。また何よりも日本人が危機感として教育の遅れに気がついていないことをあげていた。そんな時日経を読んでいたら日本の教育現場にいる教師の免許に更新義務がなくなったというニュースにショックを受けた。海外では教師の免許更新にはその都度テストが行われ、実際の教育現場に適応できるかなどの判断基準を設けている。日本もつい最近まではあったはずである。廃止の理由は定かではないが、教師が抱えている多くのタスクを削減する目的であるとすれば、どうでもいいような報告書こそ削除し日本の教師の品質を維持するためにも更新時のテストだけは継続してほしいと強く望む。
国の将来は子供達にかかっている。しかし人々は混沌とした日本の今に不安を感じとてもじゃないが将来のことなど考えられないという人々で溢れている。教育もどうでもいい目先のことにこだわり、大切なことが置き去りにされている。ニューヨークタイムズの話は全て英語だったが、もし時間があれば日本を外から見た人たちの助言を聞いてほしい。
黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)
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