インターナショナル・ランゲージ・ハウスのボブ君

2018年に執筆しました

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3歳からは言葉の語彙が増える。語彙とは記号として口に出せる言葉のことで、脳の中には記号化していない言葉の卵が実際に口に出る言葉の何千倍も詰まっているので、この時期にあって外国語の入る余地はないとの意見もある。確かに一理あるが、言語学だけで絶対にそうと判断されては困る。何故なら私の子育て体験の中で出会った諸外国のママ達は、時に3ヶ国語ぐらい日常的に話す。例えば中国人の友人はご主人がアメリカ人なので日常は英語、母親も同居しているので昼間は中国語、お手伝いさんがチリ人なので必要に応じてスペイン語となる。その間にいるベイビーは必然的に言葉の卵が増えていくのだが、このベイビーが幼稚園に上がる頃には3ヶ国語を使い分けていた事実があるので、言葉の引き出しは一つの言語とは限らない。

私の持論だが、英語を習ったからといって日本語がダメになるという考え方は極論すぎる。まるで戦争中の日本軍のようだ。それよりも日本語と英語の共存が産む利点をしっかりと捉え、それなりのシステムの上でバイリンガル教育をすることが子供達の将来に有益なプレゼントを残すと考える。マスコミは英語へのバッシングに走っているようで、大人達の技量の狭さを感じる近頃である。

黑部 美子(インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO)

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