【前編】Child Abuse(児童虐待)の続きです。

私も初めて他人から受けた注意でショックを受けた。2回目は家族でスキーに行った時、キャビンで長男が悪態をつき、御免なさいを言わなかったのでしばらく外に立っていなさいと5分ほどテラスに立たせておいた。30分ほどするとレインジャーが現れ、「今8歳ぐらいの男の子が外に出されていると通報があったがお前のところか。」と事情聴取にやってきた。私も主人もびっくりし、悪い子だったので罰則として外に立たせたと言ったら、それは児童虐待になるので注意するようにとのことだった。こんなことがあってアメリカでは社会全体が子供達を守っているという意識が私の中でも高まった。

幼児虐待は親の元だけではない。近年ネット上にも保育園など育児施設における幼児虐待が後を絶たない。その背景には保育士の不足、そこから起こる経験値の浅い保育士集団による組織の不成熟、経営者の組織監視への怠慢などが上げられる。残念なのは施設で幼児虐待が行われていても、保護者にはなかなか分かりにくい。特に精神的虐待は分かりにくい。私の息子も幼い時にADHDがあり、やれ行動が遅い、スローだ、頭が悪いと噂されることが多かった。私の選択はまずその施設から脱出すること、専門医に相談することと、適切な環境を選択しその子の可能性を伸ばすことをした。もちろん多くの方々のアドバイスや相談を受けてのことである。

まだまだ暑い日が続き、コロナも続き、子育ても続く、長い人生とはいっても毎日を悩まずにいきたい。考えすぎず他人に相談し、また夫婦間の会話も少なくなっている時でも思い切って夫婦で子育てのより良いあり方をビールを飲みながらでも話し合うことである。ビールは憂さ晴らしに飲むと後味が悪いが、建設的な話の後の一杯は美味しいはずである。

黑部 美子 インターナショナル・ランゲージ・ハウス CEO

※2020年8月に執筆されました。

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